おおいた食めぐり
自然循環農法で安心の野菜作り「むかし野菜の邑」

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<むかし野菜の邑について>

むかし野菜の邑について

豊かな自然に囲まれた平野に広がる開かれた農園風景。
まだまだ冷え込む3月の朝。
今回はキッチンスタジオJAPANのイベントで野菜の提供、料理教室を開催する「むかし野菜の邑」を訪れました。

むかし野菜の邑は、「草木堆肥」「自然循環」「露地栽培」「地域の活性化」を大きなテーマとし、生産者が集まり出荷・加工事業を行う共同体です。

<野菜作りへの“こだわり”>

野菜作りへの“こだわり”

あまりにも労力がかかるため、今はもう見られなくなった昔ながらの草木堆肥による自然循環農業。
この草木堆肥がむかし野菜の邑の心臓部です。

  • 野菜作りへの“こだわり”
  • 野菜作りへの“こだわり”

雑草や木の枝を細かく破砕し、配合飼料をほとんど食べていない放牧牛の牛糞と混ぜたものを発酵させたものが堆肥となります。
夏で1ヵ月、冬で3ヵ月の発酵期間。
うまく発酵させるための手間は惜しみません。

野菜作りへの“こだわり”

この堆肥にはたくさんの微生物がいます。
長年やっていると、微生物の力で土の構造も変化するほど。
「人間が野菜を作るのではなく、微生物が野菜を作ってくれる」という言葉が印象的でした。

野菜作りへの“こだわり”

むかし野菜の邑が行っている「自然循環農法」は、いわゆる自然農法や有機農法とは異なります。
農薬は使いますが、種類が重要だそう。
土や野菜に残ってしまう浸透性の農薬は使わず、日光で分解する残留しない農薬を使っています。
分解してしまうため農薬を使うタイミングが重要で、タイミングを間違うと一晩で野菜が全滅することもあるほどだそう。
虫が食べるということは、それだけ安全な野菜ということ。
そのことをわかってくれる人はまだまだ少ないようです。

野菜作りへの“こだわり”

野菜作りのために、毎日農園に出て畑仕事。
とにかく手間と時間がかかります。
良いものは高いのが当たり前。ここでは「良いものは安く」を目指しています。

作るのに手間をかけている分、料理に手間がかかりません。
半生くらいがおいしく味わえます。

顧客は300にものぼり、ミシュラン3つ星ホテルのレストランをはじめ全国に野菜を提供しています。
顧客のニーズにもこたえつつ、こちらが使ってほしい旬の野菜も送っているため、最初は野菜の使い方がわからず戸惑う顧客もいますが、新しい発見もあり結果喜ばれているそう。

野菜作りへの“こだわり”

ブロッコリーは中心の大きな部分を収穫するのが一般的ですが、むかし野菜の邑ではそれ以外の小さい実も提供しています。
小さい実は収穫の手間もかかるため、普通の農家は出荷しないのだそうです。
小さいブロッコリーがお店に並ばないのはそのためなんですね。

<むかし野菜の邑の“ひと”>

  • むかし野菜の邑の“ひと”
  • むかし野菜の邑の“ひと”

スタッフは現在8人。
最近は20代の若い世代が野菜作りを学びたい、と集まっているそう。
農業の基本が身につくまでに少なくとも2年、そこからさらに経験を積んでようやく1人前になれます。

むかし野菜の邑の“ひと”

福岡から来ている30代の後藤さん。
以前は広告代理店勤めだったが、より誰かの役に立っている実感が得られる仕事を探していたところ、お客さんに直接役に立てるならと自然循環農法を学び、現在は独立して自身の畑を持つまでに。

むかし野菜の邑の“ひと”

自身の畑を持った当初、最初はジャガイモを腐らせたりしていたそうです。
畑の土ができるまでに3〜4年はかかります。
今では数多くのいろんな野菜が畑に育っています。

むかし野菜の邑の“ひと”

今回取材の対応をしてくれた竹内さん。
奥様が代表の娘ということもあり、農業に携わるようになりました。
楽しいのは野菜を作っている最中、野菜を作って誰かが食べるところを見ていたい。
一言「おいしいね」という声が聞けたら最高。
そう語る姿が印象的でした。

むかし野菜の邑の“ひと”

代表の佐藤さん。
もともとは銀行に勤め、企業の再建に数多く携わってきた方です。
「地域活性」と「むかし健康であった食文化の復活」に並々ならぬ情熱をもち、むかし野菜の邑グループの中核となる佐藤自然農園を設立。
今は若手の育成に注力しています。

<これから“旬”の野菜は?>

  • これから“旬”の野菜は?
  • これから“旬”の野菜は?

そう聞いたところ、「たくさんの野菜があるので…」と語ってくれました。
今の時期はキャベツ、白菜、春大根、ブロッコリー、菜の花(小松菜やカブの花)など。
赤・黒・紫だいこん、九条葱もあります。
一年中収穫できる野菜はないので、やっぱり旬の野菜を味わいたいですね。

<キッチンスタジオJAPANでの料理教室をするにあたって>

キッチンスタジオJAPANでの料理教室をするにあたって

Q. キッチンが便利になっていく中で、調理方法に変化が出てきたりしますか?

A. むかし野菜の邑の野菜は、炭火があれば十分調理はできます。
先日キッチンスタジオJAPANのイベントに出店した際に感じたのが、野菜を焼くときに普段はフライパンでオリーブオイルで焼いていましたが、最新のガスのグリルを使った際に簡単に焼けて便利だなと感じました。
自宅のキッチンはIHを使っていますが、まだ使い慣れていないです。
使い方を教えてもらえる場があるといいですね。

キッチンスタジオJAPANでの料理教室をするにあたって

Q. 料理教室でのこだわりポイントを教えてください。

A. 野菜のおいしさとキッチンの良さを体感してもらえるようなレシピを検討しています。
蒸し野菜にいろんな野菜のソースとか。野菜で野菜を食べるのもおもしろいですね。

<野菜作り、むかし野菜の邑の“これから”>

野菜作り、むかし野菜の邑の“これから”

今後は「むかし野菜の邑」を母体に、今の農法は変えずに、自然循環農法で野菜作りをする生産者を拡げていきたい、と語る竹内さん。

以前、海外からのオファーもあったそうですが、まずは日本国内でしっかり地盤づくり。
若い後継者の育成が今後の課題だそう。
伝え方が変化していく中で、多くの人にこの農法を知ってもらいたいとの思いから、SNSも活用した情報発信もされています。

野菜作り、むかし野菜の邑の“これから”

4/21・28に開催する農園体験では、幅広い世代の方にむかし野菜の邑・自然循環農法・食の重要性について知ってもらいたい、と語ってくれました。

<あとがき>

あとがき

まだまだ寒い中、農園を隈なく案内してくれた竹内さん。
食の安全、野菜作りへの思いをここでは書ききれないくらい語ってくれた佐藤代表。
忙しい作業の合間に取材を受けてくれた、むかし野菜の邑の皆さんに感謝です。

毎週水曜日には農園直売も開催しています。
世界で唯一!草木堆肥による自然栽培の農園での体験イベントも随時開催しています。
直近では4月21日(日)・28日(日)に開催されるので、ぜひ一度ご参加してみてください。

むかし野菜の邑公式サイト

キッチンスタジオJAPANで開催されるイベントや料理教室にも出店予定。
ご興味ある方はイベント情報をチェックしてみてくださいね。

キッチンスタジオJAPANイベント情報

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